一般社団法人 軽金属溶接協会

会長のごあいさつ

会長 山内重コ
   会長 山内 重コ

本協会の母体として、軽金属溶接技術会が1962年に軽金属協会の協力運営団体として活動を開始し、1975年には軽金属協会で行ってきた認定業務を継承し、軽金属溶接技術会の発展的解散を経て、より公益性を目指す社団法人軽金属溶接構造協会が新たに設立されました。その後、公益法人法が改正されたことにともなって、2011年に一般社団法人軽金属溶接協会として、従来の事業を継承しつつ新たな出発を行い、現在に至っており、91社の法人会員と200人の個人会員から支えられる協会に成長しています。

軽金属の溶接・接合に特化した協会は他にはなく、事業は、溶接技能者の検定、工場認定、技術者認定から、JIS、ISO規格の管理、技術開発まで、内部委員会を中心に活動を継続しています。

本協会の大きな特色は、軽金属材料分野に関係する産、官、学は言うまでもありませんが、軽金属材料の使用者の皆さんが多く会員として参画いただいていることです。いかに優れた軽金属の構造製品をつくるのかが最終の目的であり、その鍵となる溶接・接合技術を、材料技術、生産技術、設備技術の面から見直しを続け、その時代の社会のニーズにあったものに対応してきています。

将来を見据えたときに、社会は、環境負荷問題、CO2削減、少子高齢化といろんな課題を抱えています。それに対して、本協会では、「溶接・接合技術基盤の革新」「製品の国際競争力の強化」「溶接・接合技術の人材育成」を柱に活動を推進していきます。

社会インフラの基盤となる構造物が、いかに社会に貢献できるものであるかも我々協会に課せられた役割であろうと考えています。そのためには、構造の基盤となる溶接・接合技術の強化は、まず必要になります。例えば、自動車は軽量化されていきます。そのためには、鉄に続く軽量材料として、アルミニウムの適用は必須となっています。確かに、これまでの技術で適用を拡大することはできますが、厳しい品質、コスト、実用性を満足するためには、溶接・接合技術も更に発展させる必要があります。

また、国際競争力も日本の産業界の大きな課題でもあります。この10年で隣国でのアルミニウム需要量は世界トップになりました。また、いろいろな軽金属製品が世界に流通しています。また、企業の海外拠点の強化、TPP議論などすでに市場はグローバルに拡大しています。常に海外製品より優れる日本の製品力が必要であり、他国に出遅れることなく技術開発、実用化そして規格化を含めた対応が必要になります。中立の立場としての本協会もその役目は重要です。

最後に、人材育成は、当協会の分野でも重要な課題です。研究開発、ものつくり技術の基盤は、優秀な人材であり、将来の日本の構造物の信頼性を左右するものです。基礎教育から専門家までを育てる段階別の講座から、溶接技能検定、管理技術者認定まで、時代のニーズにあった、軽金属の溶接・接合技術を支える人材育成を進めていきます。

皆様の、積極的な協会活動へのご参加とご支援をよろしくお願いします。